書籍レビュー 村上龍 オールドテロリスト

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「5分後の世界」や「半島を出よ」などの村上龍の戦争モノの小説は面白かった。

僕は、村上龍の小説は大体全て読んでるんだけど、特に物語の中のテーマが戦いにあるような作品が好きで、似たような書いてる作品を探してるんだけど、なかなか無いよなーと思ってたら、新作が出てました。

タイトルは、オールドテロリスト。

購入して一日で読めたので、半島を出よや、5分後の世界のような戦いの世界観が本作でも出ていた様に感じます。希望の国のエクソダスもまーまー面白かったし。最近ブックオフで買って再読している、歌うクジラよりは、楽しく読めました。

僕が面白いと感じた村上龍の作品、「半島を出よ」や「5分後の世界」と本作はどこに共通点があったのかをまとめてみました。

以下所々ネタバレ。

本作も示唆に富むいい言葉が沢山出てきました。

     セキグチが政治の専門家にテロのプランの実現性を伺った時の話。

   専門家は、実現性は高いだろうと答えた上で「いずれにしろ、静かな怒りには、特徴的なことがあって、それはプランを必要とすることです。強いモチベーションを維持できるような綿密なプランを立てることで、静かな怒りはキープされます。逆に言うと、効果的で実効性の高いプランには、最初から、考え方とシステムの変革が秘められているということになりますね。言い方を変えれば、何かを変えるためのプランには、静かな怒りが必要なんです。感謝の念は、とても大切です。ですが、往々にして現状維持を助長し、変革のためのプランには結びつかないことが多いんですね」

これは、スタートアップにも言えるんじゃないかと思う。僕が苦しい状態を耐えている時も、怒りを持って耐えていたような気がする。逆に言うとそこで怒れない人は、心が潰れちゃうかもしれないと思いました。

     マスコミに対して、テロの首謀者からセキグチが、なんでマスコミが能力がないと我々が考えているのか分かりますか?と聞かれた時の答え。

 「あの連中は、自分を否定したことがないし、疑うこともない。わからないこともないとタカをくくっている。わかるという前提で報道し、記事を書く。だけど大抵のことはわからないんだ。わからないことはないという驕りがあるので、絶対に弱者に寄り添うことは出来ないんだ。(弱者に寄り添うように見せてるが)あたりまえのことだが、危機感が無い人間に、危機感しか無い人間のことはわからない。ひょっとしたら自分は何もわかってないかもしれないという疑いは、不安と、時に恐怖を生むので、基本的には不安や恐怖と縁のない生活をしている連中には耐性がない。

     最後の方のテロリストと米軍の戦いが始まる少し前に、テロリストの一人がセキグチに行った言葉。

   「おれたちって、家庭とか仕事だな、なにか問題が合って、参加したやつなんか誰もいないんだよ。まあ、おれは、大きいこと言えなくて一度会社を潰しそうになったときにミツイシに助けてもらったけど、資金的に追い詰められてただけで、自分で言うのもなんだが、商品はしっかりしてたからな。家庭もダメ、仕事もダメ、そんな奴はミツイシは参加させなかった。私生活に不平不満があるやつなんか、一人も居ないよ。そんな奴は、だめというかやばいんだ。動機が浅いから、決意も鈍いし、平気で裏切ったりするんだよ。

 

良い言葉に続いて、戦いや、テロのシーンが沢山出てくる。

     兵器、毒ガスが出てきて、爆発したり、人が死ぬシーンもしっかり書かれてます。どこまで本当か分からないけど、インペリットに当たったら、サウナ行けとかなにか約に立つ時がくるかも?また村上龍の作品に多い、圧倒的に強く、賢い組織も出てくるので楽しく読めました。

 

     また、本作の主人公の記者は、セキグチという、希望のエクソダスの若者たちを取材した記者。時代の流れがつながっていたからなのか、作者のテンションも同じくらい高いように感じました。希望の国のエクソダスでは、若者たちは独立することに成功して、国を捨てちゃったんだけど、今回は年齢が全く違う戦争経験者の高齢者が日本を救うためには、一回0にするしか無いと考えてテロを起こす話です。

 

希望の国のエクソダスで、若者たちが独立経済圏を作って成功したのに対して、今回の結末がドローンにやられて、それを主人公たちが予期してない、もしくは予期していてもそこで死んじゃって本作が終わっちゃってるので、なんか消化不良でしたが、久しぶりに一日で読めるほど、高いテンションを保ったまま最後まで読めました。

 

村上龍の戦争モノが好きだった人は、ハマると思うのでぜひ読んでみてください!

 

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高木 昭博
著者: 高木 昭博バングラデシュでオフショア開発を行っています株式会社セームページ: http://samepagenet.com/
代表取締役
昨年度、経産省/HIDA 海外グローバル人材育成インターンプログラム (現 国際即戦力育成インターンシップ)で、バングラデシュへ6カ月滞在。 現地の企業を訪問する中で、雇用システムを変革すればバングラデシュの 経済成長を促進できるという思いで、現地日本名誉総領事と合資にてIT企業設立。 現在日本からIT業務の受託を行っている。今後、携帯電話求人情報ポータルサイトをバングラデシュで設立予定。

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